トヨタ期間従業員に行こう

トヨタ自動車期間従業員であった筆者が期間工、派遣社員、非正規社員についてや雇用の問題そして1年間にわたる失業生活、その後のタクシー運転手としての日々なんかをぬるめに書いています。

入社まで
名鉄バス 聖心寮前のりば
入社日は月曜日ですが、入寮する人は前日の16時までに聖心清風東寮に行きます。面接からの流れは
面接
面接では特に難しい質問などはありません。応募の動機、借金の有無、刺青の有無は必ず聞かれるそうです。アンケートもあって、募集を知った媒体、所有車の車種、そして既往症などを記入するようになっています。それとちょっとした身体検があって、指が普通に動くかというものでした。最近は不合格になるケースも多いそうですが、初めて応募する人は真剣さをアピールできれば良いかと思うのですが。

合否
面接から数日後に合否の結果が郵送されてきます。合格した場合は「出社のご案内」というものが同封されていますので、その内容を確認して準備しました。

「持参品」について
出社の案内に記入されている持参品についてですが、「預金通帳・キャッシュカード」と書かれていますが、入社後にカードを利用するのであればキャッシュカードのみでいいです。カードも通帳も持ってきている方がいますが、実際はその口座番号が必要なだけで、実際のカードや通帳は必要ありません。また日用品の欄に「洗面具」と書いていますが、洗面器は入寮日に寮のほうから無料で配布されるので必要ありません。

出稼ぎ手帳については、一般の雇用保険との大きな違いは二点あります。ひとつは失業保険の給付が一時金として50日分が一括して支払われること、もうひとつは認定されるひと月の期間が11日であることです。

あと持っている免許で役に立ちそうなのは持ってきて、職場が決まった時点でアピールするのも良いかもしれません。レアケースでしょうが、それで職種が決まった人もいました。

荷物の発送について
「出社のご案内」に「荷物は、必要最小限の生活必需品におさえ、ダンボール1個でお願いします」ということが書かれていまして、荷物の説明図として45センチ×30センチのダンボールが載っていますが、あくまでも例ですので、このサイズにしなければならないというわけではありません。

配属工場が決まると移動しなければならないので、入寮日に受け取った荷物は、また送る(無料ですが)手続きをしなければなりません。ですから荷物は寮が決まってから好きなだけ送るという方法が良いと思います。持ってくるのが面倒な人は送ってしまったほうが良いとは思いますが。

交通費について
会社規定額が出ますので、何を使ってどのようにして出社しようが決まった金額です。ですから夜行バスや普通列車を乗り継いで来ると、儲かるということです。出発地は面接会場からの計算になるようです。思ったよりも多かったという感想でしたし、ボクは夜行バスで来ましたので半額以下で来ることが出来ました。


面接を受けてるまでに、いろいろなことがあり、いろいろな思いで故郷を後にするのでしょう。合格はしたものの辞退する人もいることでしょう。夜行バスに乗ったほうが安いと分かっていても、もう一晩家族と一緒に過したいと思う人もいるでしょうね。土曜日の夜は友達と飲んでいたいという人もいるのでしょうね。

日曜日の聖心清風東寮は、そんな別れをしてきた200人以上の人が、その淋しさを引きずっているようでした。それに不安も加わって、ほとんどの人がやはり押し黙ったまま教育会場の席に座っていました。

それでもまだ孤独感はありませんでした。全員が同じ孤独感に堪えているのだと思うと、少しへんですが仲間意識みたいなものが生まれました。本当の孤独というのは、絶対的に自分がひとりの場合ですから。故郷に残してきた家族や友達のことを思うと、がんばれそうな気がしました。
第2聖心清風東寮のこと
第2聖心清風東寮の部屋です。
トヨタ自動車第2聖心清風東寮の部屋

研修中はこの6畳に相部屋になります。たぶん入寮手続きをした順番に喫煙の有無で部屋割りが決まると思います。Kくんというボクより年下の人と相部屋になりました。研修中はだいたい彼と行動を共にしましたし、田原に行く前の日はJoyfullでお別れ会をしました。

Kくんは雪国の出身で、ボクはその雪国での話を聞くのが楽しみでした。出会ったばかりだったのですが、そんなに気を使うこともなく過せたので研修期間中は楽しかったです。そのまま同じ工場に配属になると良いと思ったのですが、その願いは叶いませんでした。

いずれにしても相部屋の期間は、わずか4日〜5日のことですから、もし仮に嫌な人だったとしても、我慢のできる期間でしょう。

しかしたった4日間のことだったのですが、風呂の脱衣場でジーンズが盗まれるという事件もありました。そのほか色々な事件があると聞きます。田原寮においても下足箱には靴は置かないようにとか言われました。

第2聖心清風東寮の辺りを、聖心田中地区と言うそうです。聖心寮のほかに田中和風寮、田中清風寮などがあります。

寮周辺案内図

地図が見難いのですが、田中地区のほうには本屋、薬局、ファミレスなどがありますので、必要なものは揃えられると思います。

なにはともあれ、この聖心清風東寮での数日間は、今となっては良き思い出であり、これからも思い出していくのだろうと考えています。
期間従業員になった理由
「終身雇用」が見直されている、というかそれを望む人が多くなっているようですね。少し前までは独立だ、起業だ、転職だなどと叫ばれていましたし、社会もそれを煽動していました。一体どれほどの人たちが転職したり独立起業して成功したのでしょうか。

企業自体その終身雇用を否定していたふしもありますし、それを促すような制度もあったようです。そういった風潮の中で愛社精神は存在するのでしょうか。これは一個人の問題ではなく国家的な問題なのかもしれません。また昨今のM&A問題などで「会社は株主のものだ」なんて発言がありましたが、確かにそれはそうでしょうが、そうなるとなお更、従業員の愛社精神というものは希薄になってしまうのではないでしょうか。個人至上主義において愛社精神や愛国心なんてのは発芽しないもののように思うのですが。

ボクも転職をしようと前の勤務先を辞めました。転職先が決まってから辞めたのではなくて、「雇用保険をもらいながらどこか探すか」と思っての辞職でした。辞めた最大の原因は上司との意見の不一致でした。それが何度か続くと不信感になっていきましたし、自分の存在価値なんてものを考えるように至っては日々憂鬱でした。それで結局転職を決意したのですが、いざ職を探すとなるとなかなか思うようになりませんでした。

前職での経験というものは、同じ職種でしか通用しないようにも思います。同じ職種というか、同じ会社でしか通用しないと言ったほうがいいでしょう。社内教育なんていうのはその企業だけでしか役に立たないことを学んできたようなものでしたし。

ハローワークに通う日々が続きました。それが日課になりました。面接して合否が分かるのは10日後とか2週間後、月日は思ったより早く過ぎました。何度目かの不合格の通知を受け取った時、やはり自分が全否定されているように感じました。面接というものにアレルギーが出始めていました。精神的重圧に押しつぶされそうにもなりました。3ヶ月というのは思ったよりも早く過ぎました。少し貯蓄もありましたし、年末の宅配便の仕分けアルバイトなどもしましたが、目減りする日々に不安も増しました。

適職診断テストなんてものがありますが、自分に合った職が分かったとしても、採用してくれる企業がないとどうしようもないですね。また、そういった職業訓練を受けて資格を取得しても、就職とは別問題のように思います。そうなると「なにをしたい」ということはどうでもよくなりました。「どこが採用してくれるか」と「賃金」だけが基準となりました。その二つの条件をクリアしたのがトヨタの期間従業員でした。

「どうして就職しないのか」と聞かれました。ボクやボクたちにとってトヨタ期間従業員として働くということは就職と同じことなのです。6ヶ月の契約じゃないかと思われるでしょうが、それからまた就職活動がまっているのです。

確かに6ヶ月働いて、失業保険の給付を受けてまた6ヶ月働くという、所謂期間工スパイラルという生活を送っている人もいます。それはそれで必ずしも楽な生き方だとも思いませんし、社会保険料や所得税は支払っていますから、社会に貢献していないとは言えないと思います。

それに出稼ぎという人たちもいます。地方の就職難という理由もあります。いろいろな理由でトヨタ期間従業員として集まってきていると思いますが、ほとんどの人が働くということに対して真摯な気持ちで向き合っていると思います。楽して生きようなんて考えてないと思います。期間従業員として働くということ自体、そんなに楽なことではないということは周知の事実でしょうから。

また若い人の何割かは正社員登用ということを念頭に働いていると思います。横浜ゴムの期間社員募集の広告に「期間社員としての数ヶ月間は、当社での業務を覚えていただく、いわば研修期間と考えてください。」というのがあります。研修社員という位置付け、これが正社員を目指す期間従業員の考え方に合っているように思います。なんの保証もない道程なのですが、「頑張っていれば認められる」と思っているようです。期間従業員としてトヨタで働くことが、彼らの夢への一歩なのでしょう。

期間従業員として「働こうと思った理由」というものはそれぞれに違うかもしれません。しかし決して甘い気持ちで働いているわけではないし、それが出来るほどトヨタも甘くないと思います。「適当に半年やっとくか」なんて気持ちでトヨタの品質が維持されることはないと思います。

ですから期間従業員として「働く理由」は、正社員だろうが期間従業員だろうが派遣社員だろうが同じはずだと思います。それは良い車つくりじゃないかと考えているのですが…。

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